複数の会社を経営する方へ
このような困りごとはないでしょうか?
- グループに赤字の会社があるが利益が出ないので繰越欠損金を使えない
- 会社の数が多くて、総務経理関係や税理士報酬などの管理コストが多額になる
- グループ内の赤字会社に貸し付けた金額が多額になって返済できない
放置すると以下のようになります。
- 10年経過して繰越欠損金が使えなくなってしまう
- 無駄な管理コストを払い続ける
- 返済不能な貸付金が多額になると銀行からの信頼性が無くなってしまう
当事務所に依頼することで合併した会社は、以下のようになっています。
- 赤字と黒字を相殺して法人税を節税
- 管理コストを削減して、余った資金を借入返済や将来への投資に使うことができる
- 返済不能な貸付金が無くなることで決算書がきれいになり銀行との信頼関係を構築できる
ケース1:5400万の節税
グループ会社の欠損金1億8000万円を引き継ぎ、1億8000万円 × 約30%=約5400万円の法人税の節税となった。
この会社が5000万円の利益を出すためには15億円ほどの売上を上げる必要がある。
5400万円の節税は、15億円の売り上げを追加で上げるに等しい。
・相談の経緯
HPからの問い合わせ。
・事業内容
訪問介護、訪問看護、サービス付き高齢者住宅などを営んでいる。
・グループの形成過程
当初はD社を経営していたが、M&Aを行うことでB社とC社がグループに加わった。
その後D社は外部への事業売却により休眠となり、事業会社BC社と休眠会社D社となっていた。
この時点では会社の株は全て個人所有であった。
当時はオーナー個人とグループ間の資金の流れが複雑で、これを整理することを目的として持株会社とA社を設立した。
その際にオーナーが所有するB社の株式を持株会社に売却して子会社とし、C社の事業をA社に譲渡して休眠にした。
相談に来た時点で持株会社1社、子会社として事業会社A社とB社、個人所有の休眠会社C社とD社があった。
・合併前の状況
事業を譲渡して休眠となったC社とD社に借入金、滞納税金、滞納社保が残ったままになっていて、債務の合計は1億円を超えた。
D社の繰越欠損金が約1億4000万円、C社の繰越欠損金が約4000万円あった。
・合併したい理由
C社とD社に債務が残っている状況で、会社を閉じるのも難しい。
結局は、事業のある会社で債務ごと吸収してこれらを返済することとし、返済にあたって欠損金を使いたいとのこと。
ここで個人所有であるC社とD社の株式を持株会社に売るようにアドバイスした。
2社とも債務超過の休眠会社で株式の価格はゼロであり、株価が問題になることはない。
これによりグループ法人税の対象となり、合併する前の段階で、C社とD社の債務を資金力のあるB社が代わりに返済しやすくなる。
・存続会社の基準
事業内容や従業員数からしてグループの中核であり、収益力もあるA社に吸収することになった
・欠損金とタイミングの問題
1回目の合併について、欠損金の引継ぎに問題は無かった。
2回目の合併については、C社をM&Aした時から5年経過後に合併しないと欠損金が消えてしまう。
この規定を知らずに欠損金が消えてしまったというケースがあるので注意が必要。
今回は1回目の合併をした時点で3年経過となるため、2回目の合併は2年ほど待ってから行う必要がある。
D社の方が欠損金が多く、発生年度も古いため、先にD社を吸収し、2年後にC社を吸収することにした。
合併で欠損金を引き継げるか国税局に問い合わせたけど、明確な回答を得ていないとのことだったが、この規定の話はなかったそうなので、曖昧なまま合併しなくてよかったといえる。
この会社は、当事務所に依頼しなかったら、この欠損金が消えてしまって、節税効果はまったくなかった。
こう言ったことは、ほんの一例だが、合併の知識がない税理士事務所に頼むと節税効果がまったくなく恐れがあるので注意が必要。
・株式発行と会計処理
100%子会社同士の合併であり、株式を発行を省略することができた。
債務超過の会社の吸収だが、子会社同士の合併のため損益計算書に損失を計上しないで済んだ。
・合併とそれによる効果
まずA社がD社を吸収し、欠損金1億4000万円を引き継いだ。
続いて2年後にC社を吸収し、欠損金4000万円を引き継いだ。
欠損金1億8000万円×30%=5400万の法人税を節税した。
法人税の負担を抑えつつ、会社が成長の軌道に乗ることで、1億円を超える債務を返済することができた。
ケース2:840万の節税、5000万の貸付金の整理
赤字の飲食業と黒字の不動産業を合併
- 欠損金を引き継ぐことで約840万円の法人税を節税し、その後も年45万円の法人税の節税
- 赤字会社への貸付約5000万円の整理
- 税理士顧問料、ソフトの使用料など年間50万円の削減
・相談の経緯
既存の顧問先から合併できるかという相談を受けた。
・事業内容
昭和の時代から様々な事業を行い、平成の初めごろに不動産業と飲食店業に行きついた。
不動産の会社は賃貸不動産の管理と不動産賃貸を営み、飲食業の会社はフランチャイズに加盟してレストランを営んでいる。
平成の終わりごろに太陽光発電を開始し、今ではグループの中核事業に成長した。
・グループの形成
過去の顧問税理士の指導により、業種ごとに会社を分けていて、全ての会社の株式が個人所有であった。
関与を始めてすぐに、飲食業の株式と、発電業の株式を不動産業の会社に売却するようにアドバイスした。
飲食業の株式の価格は債務超過でゼロであり、設立直後の発電業の株式の価格は資本金相当の価値しか無く、株式の価格で問題になるようなことはないと判断した。
ホールディングカンパニーの設立相談を受けていたが、不動産業をホールディングカンパニーとしてグループを形成することができた。
不動産業が親会社で、飲食業と発電業を営む2つ会社が100%子会社となることで、グループ法人税制の対象となり、100%グループ内では資金の移動が自由になる。
具体的には、赤字体質の飲食店業に対して金銭贈与や債権放棄が可能となり、発電業からの配当に法人税がかからなくなる。
・合併前の状況
不動産の会社は売上1億円で、毎年の利益は700万円。
700万円×30%=210万円ほどの法人税を毎年払っている。
飲食業の会社は10年以上前から利益が出ておらず、毎年の赤字は200万円、欠損金が2800万円ほどある。
赤字のため飲食業が資金不足となり、不動産業の会社から飲食業の会社に対する貸付金が5000万円ほどある。税法の規定上、利息を計上する必要があるため、利息の分だけ貸付が増えていく。
運よく本業の不動産業の役員は家族だけで、親族外の幹部職員はいなかったが、いたら、「なぜ、うちで儲けた金を他の事業に貸し付けたのか」と文句が出ていたであろう。
・合併したい理由
飲食店業は赤字体質ではあるが、地域で長年親しまれていて、従業員も頑張っているため、事業を止めることは考えていない。
仮に会社を閉じて解雇するようなことがあれば、会社が所在する地域における企業イメージの低下も考えられる。
コロナ融資の返済も始まっているが、利益が出る見込みもなく、自力で返済する見込みは無い。
そこで不動産業の会社が吸収合併して借入を返済していくことになった。
飲食店業の赤字を取り込むことで、法人税が減るとも考えていた。
経営者の方は60代の後半で事業承継の時期を迎えているが、事業承継の時期に会社を合併して減らしたいという希望は多い。
・なぜ事業ごとの会社にしていたのか?
事業ごとに会社を分けることで、儲かっているか、資金繰りも判断しやすいということで、分社化していた。
分社化にはこのようなメリットがあるが、会社が増えた分だけ、顧問料や、ソフトの使用料金が増えるというデメリットもある。
今回は分社化のメリットを捨ててでも、赤字を取り込んで債務を返済したかった。
不動産業も飲食店業も数十年営んでいて、1つの会社になっても損益は理解できる状態のため合併に踏み切った。
・存続会社の基準
不動産業はグループの中核であり、親会社でもあるし、利益を生む収益力もある。
当然のように不動産業の会社が存続会社となった。
・タイミングの問題
100%所有の親子会社の合併で、外部から買収した会社も無く、欠損金の引継ぎに制限もなかった。
そのため最短で合併することとして、最初の相談から約3か月後に合併した。
・株式発行と会計処理
100%の親子会社の合併であり、株式を発行しない
損益計算書に約3000万の特別損失が計上されたが、経常損益はプラスであり、銀行からも問題視されていない。・合併による効果
赤字と黒字を相殺して約840万を節税し、その後も毎年約45万円の節税
最初の相談の時に、過去の赤字を引き継げるとは思っていなかったようだが、欠損金を引き継げることを伝えたところ喜ばれた。
不動産業の利益が毎年700万円ほど、飲食業の赤字が毎年200万ほど、合併によるコスト削減が50万だとすると、合併後の予想利益は約550万円となる。
引き継いだ欠損金は約2800万円であり、2800万円÷550万円円=5年ほどは、法人税を払う必要が無くなる。
税額にすると2800万×30%=約840万円の節税となった。
欠損金が無くなった後も、年間で150万円ほどの赤字を取り込むことで、150万円×30%=45万円ほどの法人税を毎年削減できる。
赤字会社への貸付約5000万円の整理
貸している会社と借りている会社が合併すると、貸付と借入が相殺されて消滅する。
これにより5000万円が整理されて、利息の計上を止めることができた。
管理コストの削減
税理士顧問料(年間40万円)、ソフトの使用料(年間10万円)などを1社分に削減することができた。
年間で50万円として、10年で500万円のコストを削減できる。
飲食店の給料について税額控除できる
飲食業は親族外の従業員がいたが、赤字のため所得拡大促進税制の対象にはならなかった。
合併後は飲食業の給料増加について、不動産業の利益に対する法人税から税額控除をすることが可能となる。
ケース3:新規事業を行うグループ会社の救済合併
・相談の経緯
既存の顧問先から、新規事業のために設立していた会社を吸収したいとの相談を受けた。
・事業内容
もともとサービス業を行っていた会社が、電子書籍の制作などコンテンツ事業を新たに開始していた。
・グループの形成
持株会社の下にサービス業の子会社が1社あったが、新規事業のために子会社を新たに設立して3年が経過していた。
・合併前の状況
サービス業の子会社は利益が出ていたが、新規事業の会社は毎年1000万円の損失を計上していて、3年で繰越欠損金が3000万円になっていた。
新規事業は今のところ黒字になる見込みが無いが、会社側としてはどうしても続けたいと考えていた。
新規事業を継続するために、サービス業の会社から毎年1000万円を貸し続ける必要があり、サービス業の会社から新規事業の会社に対する貸付金が3000万円になっていた。
・合併したい理由
サービス業の会社が、1400万円の利益を出せば、30%の法人税420万円を引いた残り980万円を貸し付けることができる。
つまり、新規事業の会社に1000万円を貸し付けるためには、1400万円ほどの利益をだして420万円ほどの税金を払う必要がある。
これに対し、サービス業の会社と合併した場合は、1000万円の赤字を取り込むことになるため、1000万円×30%=300万円の法人税を毎年節税することができる。
今回は資金繰りを考えて、合併することにした。
・なぜ事業ごとの会社にしていたのか?
既存の会社で新規事業を始める場合に、登記簿の記載や会社名と事業内容が一致しないことがある。
これに対し、新しく会社を設立して新規事業を開始することで、事業内容に合わせた会社名にすることができるし、登記に記載される事業内容も新規事業に合わせたものにすることができる。
これらのことは、新規の取引をするにあたり、取引先に対する印象に影響することがある。
今回は新規事業を3年続けていて、取引先の理解もあるため、異業種の会社に吸収されても問題は無かった。
・存続会社の基準
グループの中核であり、収益力のあるサービス業が存続会社となった。
・タイミングの問題
子会社同士の合併で、特に成約もないため、最短で合併することもできたが、新規事業の会社の決算期のタイミングで合併した。
・株式発行と会計処理
子会社同士の合併であり、株式を発行しない
・合併の効果
3000万円の欠損金の引継ぎ
サービス業の会社は毎年の利益が3000万円ほどあったが、3000万円の欠損金を引き継ぐことで、合併した年度は法人税がゼロとなった。
1000万円の赤字を取り込むことで毎年300万円の節税
新規事業の赤字を取り込むことで、毎年の利益が1000万円減少する。
合併後の年度においても、1000万円×30%=300万円ほどの法人税を毎年節税することができる。
赤字会社への貸付3000万円の整理
貸している会社と借りている会社が合併すると、貸付と借入が相殺されて消滅する。
これにより3000万が整理されて、利息の計上を止めることができた。